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コロナ給付金から始まった一般社団法人化への道

2020年の春。コロナがじわじわ広がりはじめた頃、10万円の給付金が配られました。 飲食店も観光も祭もダメになって、町が静かになっていくのを感じていました。 「この10万円を、どう使うか」――誰もが考えたと思います。

私はその時、「自分なりのまちづくりをしてみよう」と思いました。



一軒一軒、挨拶からはじまった


外ヶ浜町内のお店を回りながら、こう言ってまわりました。

「こんな活動を考えてまして、よかったら…よろしくお願いします~💦」

もちろん、喜んでくれる人もいれば、あまり関心のない人もいました。 でも、数軒の店主さんが「面白そうだね」と言ってくれたんです。

その声があったから、風乃まちプロジェクトという名前で、最初の一歩を踏み出すことができました。



青森初の“地元民ガチャ”がバズった


その後、試しにやってみた企画のひとつが「地元民ガチャ」でした。 観光ガチャではなく、地元の人が買いたくなるガチャ

これが、思いがけずヒットして。 全国放送でも取り上げられて、一気に「面白いことやってる町だね」と言われるようになりました。

でも、そんなときに――事件が起きます。



「マツオスーパー、閉店します」の衝撃


2022年、電気代の高騰と水害が重なった夏の終わり。 商店街の中心にあったマツオスーパーさんが、「閉店します」と宣言したんです。

地域の誰にとっても「寝耳に水」でした。 冷蔵庫の故障、予想外の電気代、そして水害で帰省客が来なかったこと。 それが大きな打撃になったと聞きました。



スーパーの一部を「地域の場」にできないか?


野口珈琲店さん、はただ酒店さん、そして私。 「このまま店が消えてしまったら、町の中心が空洞になる」と話し合いました。

そこで、前の店主さんとお話しして、ある提案をしました。

「もし、店の半分のスペースを使わせてもらえたら、そこをコミュニティスペースとして活用したい」

結果として、現店長さんにバトンを渡しつつ、店舗の半分を地域の拠点として再活用することになったのです。



1人でペンキを塗って、箱を積んで、壁紙を貼って


コミュニティスペースの準備は、正直に言えば大変でした。 コロナが再び広がり、手伝ってくれる人もいない。 私は1人でペンキを塗り、リンゴ箱を積み上げ、壁紙を貼っていきました。

イベントの前日、ようやくプロジェクトの仲間が集まってくれて、なんとか形になりました。



春の陣、夏の陣、そして地域全体へ


そこから1年間、春の陣、夏の陣、秋の陣と、イベントが続きました。

さすがに毎回手作りで準備するのは大変でしたが、それでも毎回、誰かが笑って帰っていく。 その姿を見ると、「やってよかった」と思えました。

でもこの頃には、だんだんと「風乃まち」だけではまかないきれない動きも見えてきました。



「つむぐ外ヶ浜」と、チームの分化


2024年、蟹田公民館での夏の陣に合わせて、『つむぐ外ヶ浜』という小冊子の制作が始まりました。

この制作は、風乃まちプロジェクトとは別のチームが担うことになりました。 クリエイターさんたちのプロ意識は本当にすごくて、完成した冊子は1ヶ月で3,000部がなくなるほどの人気に。

このとき、私はひとつの大事なことに気づきます。

地域に必要なことをやるには、それに合った「チーム構成」が必要なんだなと。

すべてをひとつの団体で抱え込まず、得意な人が得意な形で動けるようにする。 その方が、結果としていいものが生まれる。



「社団化」は、地域に根を張るための一歩


こうした経験を経て、2025年、私たちは任意団体から一歩進んで、一般社団法人化に踏み出しました。

いろんな地域団体がある中で、「Aの活動」と「Bの活動」で、同じ人が重なるのは人口の少ない地域ではよくあることです。 でも、本当に良いものをつくるには、それぞれに合ったチームが必要だと思うのです。

「一丸となって」ではなく、それぞれが違う形で、同じ未来を見ている。そんな状態が、私は理想だと思っています。



お金よりも、残るものをつくりたい


最初にもらった10万円。

100人いれば1000万円。でも、そんなふうに「集めて運用した例」はほとんど聞いたことがありません。

多くの人は、そのお金が「何に消えたか」もう覚えていないかもしれません。

でも、歴史や伝承は、使わなくてもちゃんと残っている。 だから私は、地域の文化やストーリーを形にしていきたいのです。

少しずつ、長く残るものを。焦らず、諦めずに。

そんな法人であることを、長い目で見守っていただけると嬉しいです。

 
 
 

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